野鳥の巣箱を作りました
山でトビの鳴き声がしましたので巣箱を置いてみることにしました。
トビの鳴き声は「ピーーッヒョロヒョロ」といった調子で、甲高い笛の音のような感じです。地方の田園地帯にお住まいの方は聴いたことがあるかもしれません。
せっかく自分の山に来てくれたのだから、トビさんぜひ営巣なさってください、と期待を込めて巣箱を設けました。

このようにヒノキに地上5メートルほどのところに巣箱を設けました。
果たして来てくれるでしょうか。
トビさんに拘らず野鳥が営巣してくれれば御の字です。
巣箱の作り方
さて野鳥の巣箱の作り方をご紹介します。
初めてなのでネットに掲載されている画像などを参考にしながら作りました。

最初に骨組みを作ります。
この骨組みにつかった材料は桟木(さんぎ)です。
桟木は60×28×4000で売られており、丸ノコで2分割すると28×28の正方形の角材になります。桟木はとても安価なのでお勧めです。

次に床板を貼ります。
使った材料は野地板(130×12×1820)です。野地板は一般的な低品質なスギ板でとても安価に売られています。
通常は屋根瓦の下敷きなど、目立たない場所に使われます。
ですが、ヤスリ掛けするととても温かみのある木肌が出てきますので、スギの良さを改めて実感されると思います。
床板を骨組みの外側に貼ろうか迷いましたが、隅のところが高くなっていると足指がぶつかるので嫌だと思い、内側に貼りました。角を少し切り取るだけのことですから。

側面、裏面、屋根、正面の順番に野地板(130×12×1820)を貼り付けていきました。
サイズ(本体部分)は
W390ミリ(野地板3枚分)
D300ミリ(野地板2枚分+庇のでっぱり)
H400ミリ
庇の角度(仰角)は30度です。
裏面の中央は、上側と下側にそれぞれ100ミリほど突き出し、取り付け用の穴を空けます。
巣箱を樹木に取り付けるための大事なポイントです。

室内もどうぞご覧あれ。
継ぎ合わせなので限界はありますが、雨漏りがないよう注意を払いました。
クランプで幅方向から押圧しながらビス留めすれば、継ぎ目の隙間は最小化することができます。
資材費用
今回巣箱に使った木材は次の2種類です。
●桟木(さんぎ)
骨組みに使います。
60×28×4000ミリで1本300円ほどで販売されています。今回使用した分量はこの半分ほどです。
●野地板
床、壁、屋根に使います。
130×12×1820の板が7枚組で900円ほどで販売されています。
今回使用したのは2枚です。
木材分のみ概算すれば400円ほどで済んだことになります。
巣箱の設置

巣箱には予めロープを通しておきます。
ロープは耐候性のよいポリエステル系のもの(orクレモナロープ)が良いでしょう。
Φ12ミリのものを上側、下側に必要な長さ(樹木の太さを踏まえて)切って使います。

巣箱をかついで高所作業をするのは危険ですから、いったん、つるべ式に巣箱を吊り上げて置きます。
つるべ式というのは、井戸から桶で水をすくい上げる要領です。
滑車とロープを使って荷物(桶→巣箱)を揚げます。
地上高は約5メートル(はしご4メートル)です。

クローズアップするとこんな感じです。
この作業に必要な資材は次のとおり。
・引き揚げ用のロープ10メートル(地上高の2倍の長さ)
・滑車(プーリー)
・仮留め用のPPロープ

取り付け用のロープを幹に括り付けて巣箱を固定します。
ロープを結んだ後、巣箱をぐっと下方に押し下げるとロープが緊張して巣箱が安定します。
そして、引き揚げ用に使った道具を外したら完了です。
後になりましたが、はしご(ラダー)は、巣箱のロープを取り付けやすいよう、巣箱と反対側に設置するようにします。

今回巣箱を設置した場所は、集材路から少し外れたヒノキです。
手前方向は架線集材路のため細長く開けた場所になっています。
しばらくは警戒されて近づいてもらえないと思いますので気長に待とうと思います。
トビさんにこだわらず野鳥が営巣しましたらご報告させていただきます。