EyeEyeの使い方

 

EyeEyeは架線集材用の搬器です。ここでは架線の設置とEyeEyeの設置について説明します。

架線を設置する

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  • EyeEyeを設置するときは足場の良い場所を選び、固定索を地面まで下ろすか、胸の高さまでの間になるようにして行います。
  • 動索の端はアイを作る必要はありません(未処理のままでOK)。

(用語)

固定索:元柱と先柱をつなぎ、搬器EyeEyeを支持するロープ。

動索:動力とフック(荷)をつなぎ、荷を動かすロープ。

 

 

 

EyeEyeを設置する

軽架線,搬器,横取り,端上げ,上げ荷,EyeEye
  • ロープを通すときはカバーを外します。動索は、ラッチを開いて通し、動滑車をくぐらせ、端を動索クリップで固定します。
  • 上の図は2倍力の場合の配線イメージです。
  • ロープを通し終わったら、必ずカバーを取り付けます。
  • 使用する工具は、M12(二面幅19ミリ)のレンチのみです。

 

 

倍力の数による配線の違い

 

EyeEyeは2倍力、3倍力、および4倍力のいずれかで荷を牽引することができます。

倍力の数によって動索の配線方法が変わりますが、要領をつかめば簡単にできます。

 

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軽架線,搬器,横取り,端上げ,上げ荷,EyeEye,倍力使用,3倍力

3倍力のときのみ、動索の端はアイを作り、シャックルを使って動滑車に繋ぎます。

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倍力の使い分けの注意点

 

倍力のしくみにはメリットとデメリットの両面があります。

倍力を使うと確かに小さな力で大きな荷を動かすことができますが、倍力の数を増やせばよいというものではありません。

「倍力の数を増やすと、かえって負担が増える」こともあります。

 

まず、倍力を使う重要な目的は端(はな)上げだということです。

一般的に次の性質があります。

  • 上げ荷のときに、端上げの効果が生まれる。
  • 傾斜が急なほど、端上げの効果が大きい。
  • 倍力の数を増やすほど、端上げの効果が大きく、横取りも力強く行われる。

しかし他方で、倍力にすると搬器と荷(動滑車)の間でロープが往復するため、次のようなデメリットもあります。

  • 倍力の数が大きいほど、長いロープが必要になる(横取りの長さ×搬器~倍力の数だけ長くなる)。
  • 倍力の数が大きいほど、荷掛時にロープを弛緩させるための労力(たいていは人力)が倍加される。
  • 倍力の数が大きいほど、巻取り(牽引)に時間がかかるようになる。
  • 倍力の数が大きいほど、固定索に負担がかかるので固定索が切れやすく危険が伴う。

またこんな困った問題も起きます。

  • 倍力を大きくしたら、荷が宙吊りになってしまい目的地で下ろせなくなってしまった。

荷を下ろそうと動索を弛めると(集材機を逆転すると)、荷を宙吊りにしたまま元の方向(谷側)に戻ろうとするのです。何らかの強制手段で搬器を係留させない限り、宙吊りになった荷を同じ場所に下ろすことはできません。いったん宙吊りになると、荷が地山に接地する地点(地面が盛り上がり固定索に近づいているところ所)まで荷を下ろせなくなります。

 

これらの性質を踏まえたうえで、現場に応じてほどよい倍力の数を適用するようにしましょう。

例えば次のような要領で始めると良いでしょう。

  • 傾斜が急なときは、2倍力で十分。
  • 荷が重く、端上げできなかったら2倍力→3倍力と変えてみる。
  • 傾斜が緩く、端上げできなかったら2倍力→3倍力と変えてみる。

 

 

適切な太さの動索を選ぶ

 

倍力にすると、前述の注意点にあげたとおり、荷掛時にフックを引き回し荷に近づける負担が倍力の数に比例して増えます。この負担を減らすには、動索を太くしすぎないことが効果的です。動索を細くすることで人力による負担が軽減されます。強度の問題もありますので、細すぎない適切な太さの動索を選ぶとよいでしょう。

 

以下の図は4倍力を使って横取りする例を示しています。

 

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 上図は以下のワイヤーロープを使用した例を示しています。

  • 固定索 Φ12mmのワイヤーロープ
  • 動索 Φ4mmのワイヤーロープ

 

 

この例で強度を試算します。

  • Φ12ミリのワイヤーロープの破断強度は7200kgf(72000N)、固定索として使う場合、使用荷重は530kgf(5300N)です(安全係数2.7、最大張力が荷重の5倍と想定)。
  • Φ4ミリのワイヤーロープの破断強度は800kgf(8000N)、動索として使う場合の使用荷重は130kgf(1300N)です(安全係数6として)。4倍力にすると使用荷重は4倍され、130×4=520kgf(5200N)となります。

 

このように動索に細いワイヤーロープ(Φ4mm)を使えば、取り回しの負担を減らしつつ500kgf程度までの運搬が問題なく行えることが分かります。 

(参考)倍力にするとどうして単引きでも端が上がるのか

 

こちらのページで解説していますので、よろしければご参考ください。

「【解説】倍力にするとどうして単引きでも端が上がるのか」

(参考)倍力選択のための早見チャート

 

ほどよい倍力の数は、一括りに決められません。

それは、端(はな)上げの状態が、地形(傾斜の大きさ)と、荷の重さによって変わるためです。

 

そこで早見チャートを用意させていただきました。

傾斜(角度)と荷の重さ(搬器との相対質量)が分かれば、どんな倍力数が良いかが予想できるようになります。