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立体文字を丸太からつくる

立体文字の看板や道案内を丸太から作ってみませんか。

木の厚みが生きてしっかり重厚感が出るため、よく目立つ看板を作れますよ。

立体文字はチェーンソーアート(チェーンソーカービング、丸太の彫刻)ほど難しくありません。

アルファベットなど簡単な字画の文字を選ぶことがポイントで、初めての方もすぐにマスターできます。

 

【必要な道具一覧を公開】自分もやってみたいと思う方はぜひ。チェーンソーを使う方ならどなたでも簡単に。

 

 

ここでは「SEKI」(関市)の立体文字の作成過程をご紹介します。

YouTube動画でご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

 

1.丸太を固定する

使用するのは未利用間伐材です。使い道(売り先)のない間伐材で十分用を足します。長さは1.5〜2m(自分の身長ぐらい)、径は20センチ前後のものが扱いやすいです。

スギやヒノキなどの針葉樹は簡単に皮むきができるので、最初にしておきます。使うのはマイナス・ドライバーです。スクレーパー(ペンキ剥がしに使う道具)があればお使いください。

 

 

このようにマイナス・ドライバーの先を立てて送ると簡単に皮を剥けます。

 

 

皮を剥き終わったら、丸太バイス 立介II(または立介)を丸太の木口に近づけます。

 

 

木材トングで丸太の端を持ち上げ、丸太バイス 立介の口金に載せます。丸太を持ち上げるのは手だけでもかまいませんが、木材トングがあると負担が軽くなります。

 

 

丸太バイス 立介のクランプ(グリップ部分)をつかんで起こします。すると丸太の端が口金に収まるように入ります。

 

 

丸太の端が口金に収まったらクランプを回して締めます。

 

 

丸太の反対側を持って起こします。これも木材トングで掴むと負担が軽くて済みます。

 

 

丸太を真っ直ぐに立たせ、ぐらつきがないか確かめます。

 

 

ぐらつきがあるときは、クランプをさらに締めてぐらつきを無くします。

これで設置完了です。

使用する丸太バイス 立介(たちすけ)のページはこちら。

 

 

 

2.平面をつくる

こんな感じで平面をつくります。

文字を描く平面を作るため、真ん中に厚さ5〜6センチほどの板を残します(魚を3枚におろす要領)。ゴールはこの写真のイメージですが、始まりから説明します。

 

 

中心に5〜6センチの幅を残すように、左側を上から縦挽きします。

力のあるチェーンソーを使うとよいでしょう。ここではスチール製MS261(排気量50cc)を使用。

 

 

右側も同様に縦挽きして切り落とします。

 

 

平面ができたら、文字を下書きします。線はかなりラフな感じでOKですが、文字の大きさや文字間(スペース)はしっかりイメージしておくようにします。ここでは油性マーカーを使用。切ったばかりの丸太は水分が多いので、太字・平芯のマーカーが書きやすいでしょう。

 

 

 

3.立体文字をつくる

下書きをたよりに上から順番に加工していきます。

トップハンドル・タイプのチェーンソーを使って文字を掘ります。トップハンドル・タイプのものは出力は小さいですが軽いため取り回しが楽です。ここではカービングバーを付けた共立CS252T(排気量25cc)を使用。

 

 

カービングバー(上側)は、先端が細くなっていいるので細かい作業に向いています。下側が普通のバーです。

バーによってドライブリンク数が違う(上側は52コマ、下側は60コマ)関係で、同じソーチェーンが使えなかったりしますので注意しましょう。

 

 

突っ込み切りもカービングバーだと簡単にできます。普通のバーよりもキックバック(手前に跳ね返る動作)を抑えらるため安心して作業ができます。

 

 

表側が荒削りな状態ですが、終わりました。「SEKI」の文字がはっきり見えてきました。

 

 

裏側からもチェーンソーを入れて形を整えます。表⇔裏を交互にチェックして理想の形に近づけます。

 

 

仕上げに、表面の凹凸を削って平らにし、バリ(角から飛び出した毛羽立ち)も切り落とします。撫でる感じで軽く当てれば十分です。

このときマーカーの下書きも消えてくれます。

 

 

仕上がりはこの程度に。凹凸が若干残りますが、バリはほとんど取れます。(写真はトップ画像の右側の例のクローズアップ)

 

 

完成。

好みですが、写真は文字部分だけ切り落とした状態です。

 

 

 

4.必要な道具

この事例では「丸太バイス 立介II」を使用しました。ピン立介の固定深さ(4/7/10cmの3段階)の調整用ですが、今回は使用していません。立介(たちすけ)の詳細はメーカーのHPをごらんください。→こちら

今回の事例では使用していませんが、他にあると便利なものを以下に紹介しておきます。

 

以上、丸太から立体文字をつくる方法についてご案内申し上げました。

 

間伐材の新しい使い道にいかがでしょうか。

 

最後まで有り難うございました!

(ご参考)この事例はYouTube動画でご覧になることもできます