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ヤマザキマザック工作機械博物館

夏休みを利用しヤマザキマザックという工作機械メーカーの「工作機械博物館」に行って参りました。

弊社の専門である山仕事の道具に直接関係があるわけではありませんが、製造を担当する協力会社さんの工場には様々な工作機械が使われています。工作機械とは英語でMother Machineと呼ぶように製品を生みだす母親的な機械です。弊社製品にとっても不可欠な存在です。工作機械の成り立ちを知っておきたく訪問しました。

 

外観

広大な駐車場にちょこんとしたピラミッドが突き出したような建物にエントランスがあります。博物館らしき建物が見当たらないので警備の方に聞いたら、地下空間に広がっているとのこと(写真2枚目は地面を除いた模型)。なんでも埃や温度差を嫌うお仕事のため地下空間に工場を作られた経緯があり、今は博物館となっているようです。わざわざ博物館を作らず、元の環境をお使いになっているところも素晴らしいです。

このあたりは丘陵地帯で緑でゆったりと間をあけて工場が配置されています。標高のある駐車場から見渡せる隣の工場も緑の中に溶け込んでいる感じがします(写真3枚目、4枚目)。

 

 

ヤマザキマザックの歴史から

入場するとエレベータで地下2階に下りてスタート。

ヤマザキマザックの元の名前は「山崎鉄工所」。山崎定吉(さだきち)さんが1919年に創業されました。当初のお仕事は製畳機(せいじょうき)という、畳を製造する機械の製造だったようです。写真2枚目の工場のシーンがそのようです。当然ながら小さな工場からのスタートだったんですね。

 

なお製畳機は工作機械ではありません。しかし製畳機を構成する部品を社内で作るための機械(マザーマシン)を作ったことが後に工作機械ビジネスにつながったとのこと。スタッフの方に直に教えていただきました。

 

写真3枚目が1927年に、外向けに売り出した工作機械の第一号商品の「ベルト掛け山崎旋盤」。最初の顧客はブラザー工業(当時は安井ミシン商会)。一時はミシンで世界市場を席巻したメーカーです。ちなみに「ベルト掛け」とは動力をベルトで伝達する方式のこと。左側に径が3段になったプーリーが見えますが、そこにベルトを巻き付けて動力を得るという方式です。また「旋盤」とは加工したい物(金属)を回し、回転軸に向かって硬い歯を当てて外周をきれいに丸く削り出す機械のことです。

 

なおスタッフさんによれば、この頃は工作機械を修理するビジネスも活発だったそうです。当時の工作機械はアメリカなどからの海外製品が主流だったようなので頷けます。やはり製品を修理することも部品を一から作ることも技術力や製品開発力につながる大事なステップなのだと思います。

 

 

日本の強さを知るきっかけに

パネルの説明が分かりやすいのでそのまま貼り付けます。

工作機械はほんとうに地味な業界(誹るつもりは全くありません)だと思いますが、製造業、ひいては幅広く第一次、第二次、第三次産業の競争力にも影響を与えています。しかし「技術者しか真価を知らなかったから」という理由は、最近のマーケティングの潮流から置いていかれそうな危うさも。

なんとかならないかな、、、ですが地味なりに尊敬される姿は日本の美徳や強さにも繋がる感じがします。

 

工作機械の業界はおそらく世界においても地味な存在でしょう。だからこそここに取り組んだ日本の強さを知るきっかけになると思います。世界をめざして就職先や転職先を考えている人にもきっと参考になります。

 

 

古くて分かりやすい例

レオナルド・ダ・ヴィンチといえばモナリザの肖像画で知っている人が多いと思いますが、発明家として地味な業績もたくさん残している方のようです。その一つが「ねじ切り旋盤」(1488年に書き残された図面から)です。ねじの生産を工業化する取り組みはこの頃既に始まっていたのでしょうね。

 

ちなみに写真のねじ切り旋盤は、奥側と手前側の2本の完成されたねじ(親ねじ)をレールにして歯が動き、真ん中の棒をねじ切りしていくという仕組みになっています。すごいアイデアだなあと思いつつ、親ねじをどうやって作るのだろうとふと思いました。ダ・ビンチが生きていたら聞いてみたい。

 

 

動力の発達とともに進化

工作機械の動力は人力から始まりました。工作機械に限らずどんな機械も動力の発達に大きく依存しています。

この写真はいずれも足踏み式の旋盤。ミシンも昔は足踏み式だったのを思い出しました。

動力の形態はその後、

水力(水車による駆動)→蒸気機関→現在のモーター(エンジンや電気)

へと変遷しました。蒸気機関の登場は産業革命にもつながっています。

 

 

専門じゃないという方も

夏休み期間のせいか子供連れのビジターが目立ちました。親子で楽しめる「ものづくり体験室」が開催されていたからかもしれません。

 

そして、同じ館内に蒸気機関車、プロペラ飛行機、ヘリコプターの実物の展示も併設され、技術好きの人もそうでない人も楽しめる構成になっています。敢えて言うべきじゃないかもしれませんが、これらの展示物にヤマザキマザックの工作機械が大きく貢献している訳ではないとのこと(時代的に重なっているのはヘリコプターのみです)。

 

しかし上から目線になってしまいますが、この展示構成はマーケティングの理にかなっています(と信じたい)。

工作機械を当てに訪れた私も工作機械の展示だけだったら途中で飽きてしまったかもしれません。

展示されていた数多くの工作機械の実機は、通り過ぎただけの子供たちの目にも必ず残像が焼き付いているでしょう。

 

 

 


ヤマザキマザック工作機械博物館へのご案内

 

ヤマザキマザック工作機械博物館 のホームページ

 

ご参考までに、同社ホームページのご利用案内(2022/8/13時点)のコピーを貼り付けておきます。

 

【開館時間】

10:00~16:30

※最終入場は16:00まで

 

【休館日】

月曜日 および年末年始

※月曜日が祝日の場合、火曜日が休館日となります。

 

【入館料】

大人 ¥500.-/名

高校生・大学生 ¥300.-/名

小学生・中学生 ¥200.-/名

※団体割引あり(20名以上で大人¥400.-/名)

※障がい者割引あり(手帳提示で¥200.-/名引き、介助者1名まで同様)

※学校からの団体申し込みの場合は無料

 

【住所】岐阜県美濃加茂市前平町3-1-2